投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月22日~11月26日の動きを振り返りつつ、11月29日~12月3日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は大幅反落。週末にかけて大きく下げ、週間では994.25円(-3.34%)の下落となった。週明けの日経平均は28.24円高と小幅高。欧州での新型コロナウイルス再流行が重しとなった一方、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の史上最高値更新を追い風にしたハイテク株高が支えとなった。ただ、翌日の祝日に伴う国内休場や祝日明けの海外動向を見極めたいとの思惑から積極的な売買は限られた。
祝日明け24日の日経平均は471.45円安と大幅下落。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長が現任のパウエル氏で決まり、よりハト派色の強いブレイナード氏が選ばれなかったことを受け、早期金融引き締め懸念が強まった。指数寄与度の大きいハイテク株を中心に下げ、日経平均は節目の29500円を意識した底堅さも見られていたが、同水準を割り込んだ後は売りが嵩み、急速に下げ足を速めた。
10月の米PCE(個人消費支出)コアデフレーターが31年ぶりの大幅な伸びとなったほか、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で数人の参加者が量的緩和縮小(テーパリング)ペースの加速を支持したことが明らかになり、早期の利上げ観測が改めて強まった。しかし、長期金利の上昇一服でナスダック総合指数が反発したことが安心感を誘い、25日の日経平均は196.62円高と反発。ただ、米国市場が感謝祭の祝日で休場となるのを前に模様眺めの雰囲気が漂い、戻りは限定的となった。
週末は、前日の米国市場の休場を背景に小動きが想定されていたが、朝方から売り先行で、急落。南アフリカで確認された新型コロナ変異株の拡大が世界経済の正常化に水を差すとの見方から、東京市場ではリスク回避の動きが広がった。休場明けの米国市場の動向を見極めたいとの思惑から買い手が限られるなか、ロスカットの動きや短期筋の仕掛け売りが相まって、急落となった。
今週の日経平均はもみ合いか。米国での長期金利の動きや政治情勢、諸外国での新型コロナ感染動向、経済指標などイベントが多く、外部要因に神経質な展開が続くと想定される。
FRBの議長人事で現任のパウエル氏の続投が決まってから、再び早期金融引き締め懸念が高まっている。FRBの複数の高官が、12月のFOMCでのテーパリングペースの加速について検討する可能性を示唆したほか、再任が決まったパウエル議長もインフレ圧力を抑え込む姿勢を示すなど、当局のタカ派姿勢への変化が見られている。