投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月29日~12月3日の動きを振り返りつつ、12月6日~12月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で722.05円安(-2.51%)と大幅に続落。新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株への警戒感や米金融政策を巡る不透明感から荒れ模様となった。
週初は、先週末に急落していたことに加え、複数の米製薬会社が変異株に対応した改良ワクチンの早期生産可能性を示唆していたことなどから、下落ながらも底堅くスタート。しかし、新たな変異株に関する不透明感がくすぶるなか、次第に売り優勢に。さらに、岸田政権が全世界を対象に外国人の入国措置を禁止すると表明したことが伝わると、リスク回避の動きが強まり、大引けかけて下値模索の展開となると、結局、467.70円安と大幅続落。
11月最終日の30日も大幅に3日続落。ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の大幅高を追い風に指数寄与度の大きい半導体関連株を中心に買いが先行。しかし、この日も買いが続かず、早々に伸び悩んだ。また、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)のスタンダード・インデックスの定期入れ替え実施を睨んだ思惑が買いを手控えさせるなか、取引終盤には米バイオテクノロジーのモデルナの最高経営責任者(CEO)が、既存ワクチンのオミクロン株への有効性低下の見解を示したことが伝わり、急展開。一気にリスク回避の売りが広がるなかこの日も下値模索の展開となり、462.16円安となった。
月が替わって12月1日、日経平均は4日ぶりに大きく反発した。前の日の上院銀行委での証言で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は量的緩和縮小(テーパリング)ペース加速を示唆し、米株市場では金融引き締め懸念を背景に大幅安となっていた。しかし、日本株については、需給イベントを通過したあく抜け感に加え、3日間で1600円程も下落していただけに、値ごろ感からの押し目買いが優勢となった。
週後半は、コロナ変異株や米金融政策を巡る不透明感を背景とした戻り待ちの売りと値ごろ感からの押し目買いが交錯し、もみ合いが続いた。しかし、週末3日は昼頃からムードが一変した。昼頃に米議会上院がつなぎ予算案を可決したとの報道が入ったことをきっかけに買い戻しが入ると前日比プラス圏に浮上。さらに、米製薬大手メルクがコロナ治療薬候補の製造販売承認を厚労省に申請したことが伝わると投資家心理がさらに改善し、上げ幅を拡大。取引終了間際まで断続的な買いが入り、結局、高値引けで、節目の28000円も回復して終えた。
今週の日経平均はもみ合いか。翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした様子見ムードのなか動きづらいだろう。そうした中、週末には12月限の先物・オプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出が控えており、需給要因で週末にかけて荒い動きとなる可能性がある。