長かった自粛生活が明けて、すっかり“コロナ慣れ”した今日このごろ。コロナ禍で、消費トレンドは残念ながら停滞……かと思いきや、韓国発カルチャーや台湾グルメなど、2021年らしいブームがあった。
いま、世界から注目されているBTS(防弾少年団)の人気は、とどまるところを知らない。ベストアルバムがミリオンセールスを記録しただけでなく、LINE MUSICの2021年の再生回数ランキングベスト10に『Butter』『Dynamite』『Permission to Dance』の3曲がランクイン。さらに、『Butter』『Dynamite』は、Spotifyの同様のランキングでもベスト10に入り、圧倒的な人気を見せつけた。
同じく、2021年のエンタメを語る上で欠かせないのが、Netflixで配信されている韓国ドラマ『イカゲーム』。国内の再生時間ランキングでは、2020年から不動の地位に立つ『愛の不時着』『梨泰院クラス』などと肩を並べた。「一攫千金を賭けたデスゲーム」というテーマで、グロテスクで殺伐とした演出が多いにもかかわらず人気を集めた理由について、トレンドウオッチャーのくどうみやこさんが分析する。
「人気の理由の1つは“格差への共感”でしょう。制作国の韓国がかねてより格差社会だといわれている一方、日本もこのコロナ禍で貧富の差を強く感じるようになり、作品への共感度が増したのです。『イカゲーム』には貧富の差だけでなく、ジェンダーの格差や社会的弱者など、さまざまな社会問題も織り込まれており、現在の日本の世相と一致します。残忍なシーンの合間に人の心を忘れない優しさや希望も描かれており、先行きの見えないいまの世の中の雰囲気にマッチします。そして何より、繰り返し見たくなるような考察、伏線要素が再生回数を伸ばした要因だといえるでしょう」