バブル崩壊による「失われた時代」にあると言われて久しい日本だが、その技術力がいま、世界の市場で再評価されている。投資の専門家たちが“世界で戦える”と太鼓判を押す日本企業を一挙に紹介していこう。
昨年末からの“オミクロン・ショック”はコロナ収束の兆しに水を差し、国内外の株式市場に少なからず動揺をもたらしている。経済アナリストの馬渕磨理子氏が分析する。
「オミクロン株は重症化リスクが低いとの見方もあって、いまのところ市場ではそこまでの懸念材料とはなっていません。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)がこの先、利上げだけでなく、保有資産縮小にまで踏み込む姿勢を見せているのが気懸かりです。米国株に連動して日経平均株価も不安定な値動きとなっています」
これまで世界的な株高を支えてきた金融緩和から、金融引き締めへと大きく舵が切られれば、市場を取り巻く環境は一変する。そんな先行き不透明な状況を見越して、日経平均は1月11日までの3営業日で1100円超も下落したが、12日には一転、大幅な反発を見せるなど乱高下している。
「米国の金利上昇に伴って、それまで株高が目立っていた米IT関連銘柄が売り込まれる一方、ここにきて高い世界シェアを持ち、しっかりとした技術を持った日本企業が見直され始めています。IT関連のような派手さはありませんが、電子部品や化学などの分野で世界と戦える実力を持った企業はいくつもあり、いまこそ注目すべきだと思います」(馬渕氏)
カブ知恵代表の藤井英敏氏も米国の動向を気にしつつ、こんな見方をする。
「日経平均は目先、上値が重い展開が続くことが予想されます。個別銘柄では、強みがあって買われるものはより上がり、売られるものはより下がるという“二極化”が進むのではないか」
だとすれば、2022年の日本経済を引っ張れる銘柄はどういったものとなるのか。株価がより上がりそうな“勝ち馬“に乗るためには、世界と戦える強みを持つ日本企業にこそ注目すべきだと、専門家は口を揃える。
馬渕氏、藤井氏をはじめ「投資のプロ」の4人が厳選した「世界で戦える日本企業」をまとめたのが別掲表である。それぞれの選者の評価に耳を傾けてみよう。