週刊ポストでは、日本の企業や経営者を長年見続けてきたジャーナリスト、アナリスト、評論家、大学教授ら32人にアンケートを行ない、「歴代最高の経営者」は誰かをランキング形式で選んでもらった。(別表参照。文中一部敬称略)
歴代トップに選出されたのは、やはり「経営の神様」松下電器産業(現パナソニック)社長・松下幸之助だった。2位は、ホンダ社長の本田宗一郎。3位は、ヤマト運輸社長・小倉昌男だった。
日本を代表するグローバル企業となったトヨタ、ソニーの歴代社長も、多く上位に名前が挙がっている。ソニーからは創業者コンビの盛田昭夫、井深大が、トヨタからは創業6代目の豊田章一郎、経団連会長も務めた奥田碩がランク入りした。
『経済界』編集局長・関慎夫氏は、井深とホンダ創業者・本田宗一郎について「夢を追いかけてモノづくりの日本を作った2人」「どちらにも優秀なパートナーがいた」とする。井深にとってそれは盛田だった。
「盛田さんはマーケティングの天才でした。ソニーのウォークマンは“外で歩きながら音楽を聴きたい”というユーザー視点で開発された商品だったから、世界中で大ヒットした。技術力のある日本メーカーが海外勢に負けるのは、このマーケティング力の違いです」(経済ジャーナリスト・片山修氏)
茨城大学名誉教授の古賀純一郎氏は、トヨタ元社長の奥田をこう評価する。
「保守的だったトヨタ自動車を『攻め』に転じさせた改革者。環境がキーワードと睨みハイブリッド車への進出を決断し、世界最大の自動車会社に変身させました。米ビジネスウィーク誌で世界最優秀経営者の1人に選ばれたこともあります」