投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月14日~2月18日の動きを振り返りつつ、2月21日~2月25日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で574.01円安(-2.07%)と3週ぶり大幅反落。週足のローソク足は3週ぶりに陰線を形成。週を通じてウクライナ情勢を巡る地政学リスクに翻弄される展開となった。
週初から荒れ模様だった。米1月消費者物価指数(CPI)の予想比上振れで10年国債利回りが一時2%超えを実現。セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言も警戒感を高めるなか、さらに、米政府が北京五輪中のロシアによるウクライナ侵攻の可能性を警告したことで地政学リスクも急速に高まり、週初の日経平均は616.49円安と大幅反落。
15日も日経平均は214.40円安と続落し、27000円を割り込んだ。ロシアのプーチン大統領がウクライナ問題の外交的解決の可能性を示した一方、米政府がキエフにある大使館の移転計画を明らかにしたことで、地政学リスクの高まりが引き続き重しとなった。ただ、16日は一転して595.21円高と大幅反発。米1月生産者物価指数(PPI)が予想比で上振れ、インフレへの警戒感が高まる場面ではあったが、ロシアが軍の一部撤収を発表するなど、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが後退したことに伴う安心感が勝った。
17日の日経平均は227.53円安と再び反落。1月25~26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が懸念されたほどタカ派的ではないと受け止められ、地政学リスクに代わって久々に主役となった金融引き締めリスクが後退するなか、午前は買い戻しが優勢だった。しかし、午後に入って、ウクライナ軍が同国東部の親ロシア派地域に対して迫撃砲を撃ち込んだと伝わると、リスク回避の動きが先行し、大幅に下落する急展開となった。
週末もヘッドラインに振らされる展開だった。バイデン米大統領がロシアによるウクライナ侵攻の可能性が「非常に高い」と述べたことで、地政学リスクが一段と高まり、朝方は売りが先行、日経平均は一時26792.54円まで下落した。しかし、米国とロシアが外相会談を行うことが報じられると、急速に下げ渋り、27000円を回復。一方、不透明感がくすぶるなか、プラス転換とまでは至らなかった。
今週の日経平均は神経質な展開か。決算シーズンが一巡し、経済指標の発表も少ないため、引き続きウクライナ情勢を巡る地政学リスクなど外部環境に翻弄される展開となりそうだ。なお、東京市場は週半ばの23日が、米国市場は週初21日がそれぞれ祝日で休場となる。