飲食店で食事をする際、なにかとコストパフォーマンス(以下、コスパ)を意識する人も多いだろう。しかし、どんなメニューが本当に“お得”なのか判断するのは、簡単なことではない。
そこで注目すべきは「原価率」だという。価格に対する材料費や原材料費の割合が大きい(原価率が高い)ということは、客の利益が大きく、店の利益が少ないことになるので、“コスパがいい”ということになる。フードジャーナリスト・はんつ遠藤さんが言う。
「飲食店の原価率は30%が基本ラインになっています。そんななか、回転寿司は原価率約50%を維持しているといいます。このように、高い材料費をかけてでも、客の満足のいくサービスを提供しようという店は少なくありません」
では、高い材料・原材料費をかけている店やメニューはどう見抜けばいいのだろうか。
「安ければお得、というわけではありません。価格が高いメニューというのは当然、材料・原材料費も高いわけですが、ほかのメニュー同様の原価率30%で出すと高額になりすぎるため、客は手が出せなくなります。そのため、価格自体はそれほど上がらないよう調整するため、原価率を約35%に設定するケースが多いんです。つまり店の中でも高額なメニューの方が、原価率が高くコスパがいいということになります」
回転寿司大手4社の原価率は48~50%
外食でダントツお得なのは回転寿司だと、回転寿司評論家の米川伸生さんは断言する。
「業界トップのスシローやくら寿司に追いつこうと、はま寿司、かっぱ寿司も原価率を上げ、大手4社の原価率は48~50%に上がっています」
さらに、原価率60%近くにのぼるネタもあるという。それが、期間限定の高級魚だ。
「大手チェーン店は約2週間おきに期間限定メニューを提供する“フェア”を開催。そこで出される高級魚は外せません。たとえばいまなら、かっぱ寿司の『富山湾産白えび』(1貫330円)、スシローの『生本まぐろ6貫盛り』(1078円)などです」(米川さん、以下「」内同)