全国的に「まん延防止等重点措置」が解除され、久しぶりに外でお酒を飲むようになったという人も少なくないだろう。焼き鳥屋や居酒屋で、“コスパよく”飲みたいなら、どんなメニューを頼むとよいのだろうか。
価格に対する材料費や原材料費の割合が大きい(原価率が高い)ということは、店の利益が少ないことになるので、客にとって“コスパがいい”ということになる。では、高い材料・原材料費をかけている店やメニューはどう見抜くか。フードジャーナリスト・はんつ遠藤さんが言う。
「安ければお得、というわけではありません。価格が高いメニューというのは当然、材料・原材料費も高いわけですが、ほかのメニュー同様の原価率30%で出すと高額になりすぎるため、客は手が出せなくなります。そのため、価格自体はそれほど上がらないよう調整するため、原価率を約35%に設定するケースが多いんです。つまり店の中でも高額なメニューの方が、原価率が高くコスパがいいということになります」
飲み放題&ホルモンをウリにしている店のカラクリ
焼き鳥なら、どの部位を選ぶとお得か。
「レバー、砂ぎも、ハツなどのホルモン(内臓)は本来捨てる部位だったこともあり、仕入れ値が安価です。ホルモンだけをウリにしている店では、まず損をすると考えてください。
それに比べ、ももや胸などの肉を使っている店の方が原価率が高いため、お得といえます。特に牛串があったら即注文を。原価率が高いものの、販売価格まで上げると客が頼まなくなるので、高い値段で出せない。そのため、それほど値段を上げずに提供している店がほとんどです。
酒も飲み放題に惑わされず、原価率の高いビールを単品で頼むのがいいでしょう。仕入れ値が安く原価率が販売価格によって5~10%程度のレモンサワーなどを飲み放題にしている店で飲んでも、お得ではありません」(はんつ遠藤さん・以下同)