「まん延防止等重点措置」も解除され、徐々に時間を気にせず外食できるようになってきた。もちろん、食べたいものを食べるのが基本だが、食料品の値上げが続く昨今、少しでもお得なものを食べたいもの。価格に対する材料費や原材料費の割合が大きい(原価率が高い)メニューはコスパもいいが、そんな“お得”なメニューをどうやって見抜けばよいのだろうか。
和食と中華のコスパのよしあしは、原材料費の高さだけでは言い切れない部分があると、経営コンサルタントの大久保一彦さんは言う。
「原材料費に関していえば、どちらも食材を端材まで無駄なく使う調理法のため、ロスが少なく、原材料費を安く抑えられるんです」
たとえば魚を1匹仕入れた場合、夜のコース料理では使えないあらなどを、リーズナブルな価格で提供できるランチに回し、無駄なく使いきるというわけだ。
「これらの料理は、調理に手間がかかります。中華は鍋の振り方ひとつで味が変わりますし、和食の調理人は職人レベル。“家庭で作れないものを外食で”と考えれば、原材料費が安くても、技術料が高いため、コスパは悪くないと思います」(大久保さん・以下同)
洋食を作るのも高い技術が必要だが、昼夜でメニュー価格に大きな開きを設けられない分、中華や和食に比べてお得度が低いという。だが、近年店舗数が増えている、ハンバーグの専門店は例外だ。
「専門店なので100%和牛をウリにしている店が多い。それなのにメニュー価格は1000円台。これは、和牛を丸ごと買って、ヒレとロースを高く売った後、残った肉をひいているため、原材料費を安く抑えられるからです」