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アドバネクス:再編完了による利益水準の上昇を期待

アドバネクス(5998):市場平均予想(単位:百万円)

アドバネクス(5998):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 アドバネクス(5998)は、1946年に設立された大手精密ばねメーカー。「ボールペンから宇宙ステーションまで」あらゆるモノに同社のバネが使われています。

 自動車、精密機器、OA 機器、航空機、医療機器など多岐に渡る分野に向けて製品を供給しており、同社の事業ポートフォ、つまり収益源は分散が効いています。

 2021年3月期(195億円)の売上構成比は、自動車50%、OA12%、医療9%、携帯・精密機器9%、航空機4%、インフラ・住設3%、PC・家電3%、その他8%。自動車が主力市場となっていますが、この売上構成はこの数年で様変わりしました。

 これはターゲット市場を製品サイクルの長い市場へ移行する、という同社の成長戦略の成果。かつて主力だったOA機器や家電で培ったバネ技術を武器に、日欧米系のTier1に位置する自動車部品会社と取引しています。

 参考までに、製品サイクルは、家電1年、OA機器3年、自動車10年、医療機器20年、航空機25年。長くなるほどに付加価値が高くなる傾向にあり、最近では医療機器向けと航空機向けを強化しています。

注目ポイント

 主力市場となった自動車向け精密バネの業界は、中小零細企業が無数に存在する世界。その一社一社で、職人が「匠」の技で精密ばねをつくっているといいます。つまり、精密ばねを作る会社で同社のような大企業はほかにありません。

 二次下請けを担う企業で同社のようなグローバル体制を構築しているところは他になく、これが業界唯一無二の競争力となっています。また、同社が備える提案・試作・生産・納品・アフターフォローまでの体制を持つ中小零細は存在しません。自動車業界は同社の強みが存分に発揮できる市場ということになります。

 技術面では、「冷間加工」という、高い精度が求められる金属加工に適した、常温に近い温度で加工する手法が使われています。中小零細の精密ばねメーカーで広く採用されている職人技で、上場している大手で採用しているところは稀といいます。そもそも大手で精密ばねを取り扱うところは他になく、そういった意味でもニッチトップのポジションを確立しています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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