全国各地で行なわれる不動産投資セミナーが活況となるなど、不動産市場は「空前のバブル」状態を迎えている。日本経済が乱高下を続けるなか、なぜ不動産市場だけが絶好調なのか。
「正直、熱狂と勢いを感じます。週末の売買相談会は毎回、満員御礼ですよ」
都心の物件を扱う、大手不動産販売会社の社員が興奮気味に語る。この熱狂を支えるのが、「超低金利」のローンだ。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が指摘する。
「安倍政権の金融緩和で空前の低金利になり、金融機関が積極的に融資するようになった。“安く簡単”にお金を借りられる時代になったんです」
冒頭の大手不動産販売会社社員もこう打ち明ける。
「法人向け融資は伸びシロがなくなり、各銀行は貸し出し先を求めています。不動産は現物があるので貸し倒れリスクが少なく、一般のサラリーマンに億単位を融資する例も少なくない」