企業概要
アマノ(6436)は、就業時間管理システム業界の国内最大手企業。就労管理情報システムのほか、駐車場・駐輪場システム、また集塵機、清掃機器のクリーンシステムも展開しています。
国産初のタイムレコーダーを開発した企業で、1931年の創業から「人と時間」、「人と環境」をテーマに事業を拡げてきました。戦後公布された「労働基準法」によりタイムレコーダーが企業の必需品となるなかで、旧国鉄から大口受注を獲得したことをきっかけに急成長を遂げました。そして戦後80年を迎えた現在では「働き方改革」を支援する企業として注目されています。
現在では、入退室管理システムをはじめ、人事労務管理システム、駐車場システム、また工場内輸送機や洗浄機などを取り扱っており、パーキングシステムで国内約60%、タイムレコーダーと就業管理システムで40%、そして業務用フロアポリッシャーなどの清掃機器で30%、粉塵を処理する集塵機で35%と、5つの領域で国内トップシェアを獲得しています。
主力はパーキングシステムやタイムカードなどの時間情報システム事業です。売上高の7割を構成しており、就業・給与・人事・入室・食堂システムを展開する「情報システム(売上構成比24%)」、タイムレコーダーを手掛ける「時間管理機器(2%)」、そして駐車場・駐車場管理システム、駐車場運営受託からなる「パーキングシステム(47%)」の3つのサービスを提供しています。
残りの3割が工場の環境を改善する空気輸送システムなどの環境関連システムとなっています。
注目ポイント
足元の業績は好調。今2023年3月期も過去最高益を更新する見通しです。今期はコロナ禍での影響からの回復が見込まれているほか、円安による追い風もプラスに影響する見通しです。
2022/3期はコロナ禍の緊急事態宣言再発令によってハードウェア売上が減速するなどの影響がありましたが、「働き方改革」施行やテレワークによる継続的なデジタル化需要から、ソフトウェア売上が堅調に推移しました。この流れは今期に限らず中期的に継続することが予想されます。またパーキングシステムもコロナ禍での投資控えが22/3期下期から回復傾向にあり、環境システムも中国経済の回復に伴い需要が回復していると言います。
中期的にも、働き方改革や後継者不足を解決するM&Aの増加などを追い風に就労管理システム需要は拡大が続いており、事業環境は良好です。パーキングシステムについては機器需要が鈍化すると見られますが、運営受託までワンストップで提供できる事業体制を強みとした安定収入による成長が期待できると思います。今期については、チケットレス・キャッシュレスシステムの受注増も期待されるところです。
【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。