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ライフドリンクカンパニー:再成長ステージに立ったドリンクカンパニー

ライフドリンクカンパニー(2585):市場平均予想(単位:百万円)

ライフドリンクカンパニー(2585):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ライフドリンクカンパニー(2585)は、ミネラルウォーターやお茶、炭酸水を中心とした飲料を展開する企業。株式会社ライフドリンクカンパニーと持ち分法適用会社生駒名水の2社で構成され、主に、清涼飲料(ドリンク)及び茶葉(リーフ)製造・販売を行っています。

 展開する主な製品は、水飲料(2L/500ml)、緑茶・烏龍茶の茶系飲料(2L/500ml)、炭酸飲料(1.5L/500ml)。売上に占める割合は水飲料が最大で55%、次に茶系飲料が25%、炭酸飲料10%、その他飲料・茶葉が10%となっています(2021年3月期第2四半期実績)。

 この他、「ポパイ」ブランドでとんかつソースやウスターソースの製造販売を手掛けていますが、その売上割合は0.5%以下に留まります。

 売上の99.5%を構成する「ドリンク・リーフ事業」のビジネスモデルは、小売業者のプライベートブランド向け、および自社ブランド、の2つのモデルで展開されています。小売ではイオントップバリュが同社売上の2割を占める最大顧客。ほかにも、業務スーパーを展開する神戸物産や、マツキヨココカラやゲンキー、ウェルシアとったドラッグストアなど、総合スーパーやディスカウントストアと取引実績を持ちます。

 今のところ売上構成は小売向けが6割、自社ブランド4割といった内容ですが、同社は採算性のいい自社ブランドを拡大させていきたい考えを示しています。

注目ポイント

 同社の業績は、ドリンク事業への集中と非ドリンク事業の撤退が進んだ数年間不安定でしたが、醤油事業やインスタントラーメン事業の整理が済み、生産性向上を目的とした設備メンテナンスの完了や停止していた栃木工場が再開した2020年3月期から、待ち構えていたかのように売上利益とも大きく成長を再開したように見えます。

 2021年3月期に17%増収と194%営業増益、2022年3期は12%増収・62%増益を達成するなど、成熟市場である上、ナショナルブランドという競合が存在する飲料市場においては注目すべき成長を見せています。

 飲料事業、それも、<水、お茶、炭酸水>に絞り込んだ事業構成によって、生産現場をはじめとする経営体制がスリム化されており、内製化によって原価低減が実現されています。筋肉質な企業と言うことが出来ます。体制が整い、再成長への扉が開かれたと言えるのではないでしょうか。

 また、商品力では弱い印象でしたが、楽天市場などECで展開する「ZAO SODA」は価格競争力を武器としながら、ブランドとしての地位も築くことが出来ている印象。同社が製品ポリシーとして掲げる「生活必需品としての飲料」が示すように、一度買ったら何度も購入する特性をもつ商品であることから、リピート購入への期待度も高いと思います。最近ではPayPayモールへも出店しており、今後の成長が期待できる分野と思います。

 EC売上はまだ全体の5%程度で伸びしろ大きく、前年比倍増の勢いをみせるなど、今後も成長を牽引していくことが期待されます。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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