家計

電気料金の節約テク 「トイレの蓋を閉める」「冷蔵庫を壁から離す」で何円削減できるか

温水洗浄便座が普及した今、トイレの蓋を閉めておくだけで節電につながる(イメージ)

温水洗浄便座が普及した今、トイレの蓋を閉めておくだけで節電につながる(イメージ)

 気象庁が発表した寒候期予報によると、今年の冬は、全国的に平年並みか寒くなる見込みだという。気温が下がると、それだけ暖房機器を使う機会が増えるわけだが、燃料費が高騰し、電気代が値上がりしているいま、これまで通りに使っていると、電気代が昨年より2割程度高くなる恐れがある。今こそ取り組みたい節電術について、節約の達人に意見を聞いた。【前後編の後編。前編から読む

 電気代が高騰する状況を受け、国も2023年1~8月は、1kWhあたり、一般家庭で7円、企業は3.5円の電気料金を支援するとしている(支援は2023年9月までだが9月は支援金が半額になる)。節約アドバイザーの丸山晴美さんが語る。

「東京電力と契約している標準的な電気使用量の家庭の場合、9126円/月から補助分の1820円が値引きされて7306円/月に。家庭の電気代が正規料金より2割ほど安くなるイメージです」

 何も支援がないよりはいいが、2割も安くなってラッキーと喜ぶのは甘いという。

「世界情勢が不安定ないま、今後も電気料金は値上がりが予想されます。国の支援はあくまで、値上げで増えた負担を肩代わりしてくれているにすぎず、これまでより月々の電気代が安くなるわけではありません。ですから、電気代を抑えるためには、各家庭で節電に取り組み、自己防衛することが大事です」(丸山さん・以下同)

 エアコンの暖房を使用する際は扉を閉めたり、間仕切りを使うなど、できるだけ暖める範囲を狭くするのがおすすめ。さらに、1日1時間使用時間を短縮するだけで、1シーズン約1260円の節約になるという。

 ちなみに電気料金を抑える方法として、電力会社の乗り換えを検討している人も多いと思うが、いまは待った方がよさそうだ。電気代見直しサイト大手「エネチェンジ」の広報・中田都季子さんが語る。

「電気料金は、火力発電に用いる原油などの燃料費価格の変動に応じて燃料費調整額を加算したり、差し引いたりして計算します。燃料費調整額は、大手電力会社の昔からあるプランでは、上限が決められているのですが、新電力会社の約9割が、この燃料費調整額の上限を撤廃しています。そのため、新電力に乗り換えている人の方が、電気代が値上がりしています。ですから、いまこのタイミングでの乗り換えはおすすめできません」

 いまは、自分がどの電力会社とどんな料金プランを契約しているのか、再確認しておくことが大事だという。契約当初と料金プランの名称が同じでも、燃料費調整額の上限撤廃をはじめ、内容が変わっている可能性があるからだ。契約内容は、電力会社のウェブサイトや検針票で確認できる。毎月の電気料金とともに、契約内容もチェックしたい。

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