毎日、必至に値札とにらめっこしながら安いものを探したり、自炊して節約をしているつもりが、かえって出費を増やしているのだとしたら、こんなに切ないことはない。超物価高のいま、無駄な労力をかけないことが節約につながるケースもあるのだ。
止まらない円安の影響もあって、ものの値段が上がり続け、家庭への影響が深刻になっている。都内在住の主婦・宮脇春香さん(51才・仮名)は、家計簿を見ることがつらいと嘆く。
「特別な買い物はしていないのに、昨年の同じ時期と比べて月1万円ほど出費が増えています。夫の給料は上がらず、節約するしかないのですが、そもそもぜいたくをしているわけではないので、これから何を切り詰めればいいのかわかりません」
2022年は値上がりに始まり値上がりに終わるといっていいほどだと、節約アドバイザーの丸山晴美さんは指摘する。
「帝国データバンクの調査によると、主要な食料品は14%ほど値上がりしました。その調査によると、2人以上の世帯の食費は年間で6万8000円の負担増だと試算されています」
数字を見ても明らかに家計が苦しくなっている。しかし、そんないまだからこそ「無駄な家事」を見直すいい機会だと丸山さんは言う。
「毎日スーパーへ行き、家族のためを思って安い商品を探しながら買い物をしている人が多いかもしれません。しかしそれをやめ、献立はローテーションにして、必要なものを機械的に買うようにしてみてください。この方法だと嗜好品の購入が抑えられ、年間で24万円ほど貯めることも夢ではありません。家事を自動化したり、簡略化することはラクをするためだけではなく、余計なお金を使わないことにつながります」
家事の負担が減って、なおかつお金も貯まる「やめた方が得」な家事を専門家たちに聞いた。