物価高に加えて社会保険料の負担増などが続くなか、見逃してはならないのが、NISA(少額投資非課税制度)を柱とする政府の「資産所得倍増プラン」だ。現在、政府ではNISA拡充の議論が進められており、非課税期間が無期限になるとともに投資額上限が拡大される見込みだ。
今後はNISAを利用するメリットがますます大きくなりそうだが、今から始める場合、数多ある銘柄のなかでどれを選べばいいのか。投資のプロが注目するのが「高配当銘柄」だ。日本金融経済研究所代表理事の馬渕磨理子氏が言う。
「定期的に受け取れる配当金が非課税になるわけですから、『高配当銘柄』はNISA向けの商品と言えます。ただし一口に高配当と言っても、様々な考え方や指標があるので、それを知ったうえで投資する銘柄を決めるのがよいでしょう」
別表は馬渕氏をはじめ、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏、ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏という3人の投資のプロが、高配当銘柄を4つの観点から厳選したものだ。
まず注目したいのが「配当利回りが高い」銘柄だ。森田氏が語る。
「淺沼組やJT、日本特殊陶業はいずれも利回りが6%を超えており、株主への還元に積極的です。日本製鉄は上期の半年分だけで4%以上あり、下期は未定ですが年間で8%以上が期待でき、投資妙味は十分です」