岸田政権が進める年金改革で、年金給付カットと保険料負担増加で老後資金が削られる可能性が現実味を帯びている。年金減額の影響が大きいのは減らされた額の支給が生涯続くからだ。
それを補うには、長期にわたって安定した収入が得られるようなポートフォリオ(預金や株式、債券など金融商品の組み合わせ)の見直しが重要となる。こころトレード研究所所長の坂本慎太郎氏が語る。
「日本は他国と比べて現預金の比率が高い国と言われていますが、現在の日本の銀行預金の金利はほぼゼロ。来年4月に日銀の新総裁が就任して利上げがあったとしても、1%くらいにしかならないでしょう。現金で持っていても老後資産はほとんど増えません。
そんな時だからこそ保有しているだけで年に数回得られる配当金を狙った、いわゆる『インカム投資』として株式を購入するのがよいです。長期にわたって安定的に受け取れる配当金は年金額が減少していくなかで老後資産を補うものとなるはず」
いま、「高配当銘柄」への注目が高まっている。日本経済新聞が11月17日に発表した「投資信託1年リターン」ランキングでは、1位は岡三アセットマネジメントの「日本好配当リバランスオープン」で、ほかにも高配当銘柄で運用するファンドが上位を占めた。
「景気動向に左右されにくく安定した業績を続けている企業が高配当を出す傾向にある。現在のように景気の先行きが不透明ななかでも、株価も配当も安定するでしょう。株式投資の初心者にも推奨できます」(同前)