コロナ禍で二拠点生活や地方移住が注目されてきたが、クルマとライフスタイルはどのように関わってくるのか。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今回は自動車ライターの佐藤篤司氏がスバルの「レガシィ・アウトバック」「レヴォーグ」に乗って2日間の里山暮らしを体験。その模様をレポートする。
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メーカーが趣向を凝らして開催するメディア向け試乗会。一般的なスタイルといえば、発売直後の新型車を一般路で、じっくりと試すことで、クルマの日常性を徹底して探り出すというものです。時にはテストコースやサーキットなどの特設コースで、普段試すことのできない極限の走りでクルマの対応力を試すというものもあります。今回、体験したテーマは「クルマがライフスタイルをどれほど豊かにするのか?」というもの。スバルの「レガシィ・アウトバック」と「レヴォーグ」の2台と2日間にわたって走り、過ごしながら探る「SUBARU×里山life体験会」というドライブプランでした。
ステーションワゴンの魅力が凝縮した1台
「スバル」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか? ルーツは航空機メーカーである同社は、先進安全の技術力が高く、スポーティな4WD車で速くアウトドアにも似合い、そして雪道にも強いなどのイメージが浮かんでくると思います。もちろん実際の生活の中で走り、使ってみれば、さらに違った印象を抱いたり、新たな魅力に気づいたりするでしょう。
そんな“気づきのドライブ”のお相手は「レガシィ・アウトバック」と「レヴォーグ」の2台です。都内からスタートし、首都高と東京湾アクアラインなど高速道路を1時間程度走れば到着する千葉県鴨川市の山間部です。厳密に言えば内房にある東関東自動車道館山線・鋸南保田ICから長狭街道に降り、外房の鴨川方面へ20分ほど走った山あいにあるポイントが目的地。東京から片道100キロメートル圏内で、途中には静かで居心地のいい古民家カフェや体験農園などが点在するルートは、海と山の生活をぎゅっと凝縮したような新鮮な感覚を気軽に味わえるドライブコースとして人気です。このエリアは東京との二拠点生活や里山ライフのベースとしても注目されています。
スバルは目的地周辺に「SUBARU里山スタジオ」という野外スタジオを2021年8月に開設しました。7年ほど放置状態だった公営キャンプ場を、地元行政や地域住民との連携を取りながら森林を整備。自然の状態をできる限り残した雰囲気の中でスバル車の撮影や試乗を行い、情報を発信していこうという施設です。ここをツアーの目的地としたのは、スバル車の走りや実用性がどのようなライフスタイルを創り出すのかを再確認してもらうためというわけです。