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通帳、保険証書、登記済証… 配偶者に「先立たれた時」に備えて共有しておくべき書類

元気なうちに「もしもの事態」に備えることも大切(写真:イメージマート)

元気なうちに「もしもの事態」に備えることも大切(写真:イメージマート)

 自分、あるいは配偶者が先立った時、残された相手は、死後、さまざまな手続きに追われる。困るのは、手続きに必要な書類や印鑑などが探しても見つからないケースだ。夫の死後、葬儀費用を賄うために預金を下ろそうとしたA子さんが言う。

「夫の口座から預金を引き出そうとしましたが、通帳はあるものの、届出印とキャッシュカードが見つからない。そこで、相続人が預貯金の一部を払い戻しできる仮払い制度を利用しようとしたのですが、請求に必要な書類の数が多く、葬儀費用の支払いまでに間に合わないと思い諦めました」

 こうした事態を防ぐにはどうすべきか。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美氏の話。

「複数の銀行に口座を持つ場合など、故人の通帳やカードの在処はおろか、どの銀行に口座があるかもわからない、というケースもある。そうならないよう、重要書類は金庫やタンス、専用のファイルなどで保管し、夫婦で管理するのが望ましい。その場合、盗難のリスクを考え、通帳と届出印は別々に保管すべきです」(以下、「 」内は明石氏)

 どちらかの死後に備え、夫婦で共有しておきたい書類は他にもある。主なものを別掲のリストにまとめたが、28のチェック項目となっている。

「生命保険証書も、ぜひ夫婦で置き場所を決めておきたいものです。保険金の受取人である妻が契約の存在を把握せず、請求漏れしてしまうケースもある。また、預貯金に比べ取引情報が把握しにくい、株や債券などの有価証券にも注意が必要です。口座のある証券会社を一覧表にしたり、送付される書類をまとめておくとよいでしょう」

 有価証券の相続には、相続人が故人と同じ証券会社に口座を開設し、解約など各種手続きを進める必要がある。

「口座が不明な場合、証券保管振替機構に開示請求する方法もありますが、手続きに必要な書類が多いうえ、すべてが判明するとは限らない。最悪の場合、故人が所有していた有価証券を引き継げないこともあり得ます」

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