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「300万円入ると思ってたのに…」 オバ記者も直面した「がん保険対象外」のケースとは

“オバ記者”こと野原広子さんは、重病を経験し保険の大切さを痛感したという

“オバ記者”こと野原広子さんは、重病を経験し保険の大切さを痛感したという

「卵巣がんの疑い」で患部の摘出手術を終え、退院した“オバ記者”こと野原広子さん(65才)は、12日間を過ごした病院から実社会に戻って、健康の大切さを改めて実感している。その一方で思うのが、がん保険の大切さや保険というものの難しさだという。

 昨年10月に手術した野原さんの病名は「境界悪性腫瘍」。良性腫瘍と悪性腫瘍の中間に位置づけられる「境界悪性腫瘍」は、医学的にはがんの部類に入るが、保険業界の視点からは「がんではない」と判断され、がんに対する保障の対象外となる。

 加入していたがん保険で支払われる金額を病床で調べていた野原さんは、想定よりかなり低い額しか受け取れないことにがっかりしたという。

 それと同時に感じたのが、生命保険というものの大切さや複雑さ、難しさ。「改めて保険について勉強したい」と思った野原さんは、旧知の外資系生命保険会社の営業マンS氏(41才)と連絡を取った。野原さんは、保険のプロに素朴な質問を投げかけた。【全4回の第1回】

 * * *
野原:手術から3か月。ようやく体が軽くなった感じがするわ。それにしても、何しろ卵巣と子宮の全摘で6時間の大手術。つらかった。

S氏:本当、大病でしたね。

野原:私はがん保険に2つ入っていて、病理検査でがん細胞が1つでもあれば300万円近くが入ると思っていたわ……。一般的に「悪性腫瘍」といえばがんを指すと思っていたのに、「境界」の2文字がついたら、がん保険の保障対象外だなんて。その理由って実際のところ、どうなんでしょう?

S氏:保険業界で境界悪性腫瘍が「がんではない」と扱われる理由を調べてみました。境界悪性腫瘍は転移しにくく、悪性度も低い。5年生存率も98%と予後も安定しています。つまり、悪性と良性の中間で、がん(悪性新生物)ではないと判断されるからなのです。ちなみに全摘したのは予防も含めての処置でしょうか?

野原:そうです。右側の卵巣に12cmの腫瘍があり、なんでもなかった左側からも腫瘍が見つかり、摘出して病理検査しないと良性か悪性か判定できなかったんです。でも、最終的に「境界悪性」とわかり、補償対象外となりました。17年間コツコツと保険料を払ってきたのに、なんだか“判定負け”の気分です。競馬で言ったら、馬券ちぎって花吹雪ってところかしら(笑い)。

S氏:でも、がん以外も入院と手術の給付金は出るので、保険会社への請求は大事です。

野原:今回の自己負担額は、公的健康保険の高額療養費制度を利用して計25万円ほど。保険会社からの給付金って、高額療養費制度で医療費が払い戻された分が差し引かれたりしますか?

S氏:いえ、それは影響しません。医療保険の給付金は非課税ですし、契約当初から決められた所定の金額を受け取れますよ。でも、野原さんが2本のがん保険に入っていたとは、ちょっと意外です。何かきっかけがあったんですか?

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