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【日本株週間見通し】米物価指標をにらんだ神経質な展開か

日経平均は5週続伸

日経平均は5週続伸

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月6日~2月10日の動きを振り返りつつ、2月13日~2月17日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週間で161.52円高(+0.59%)と5週続伸。一方、週足のローソク足は4週ぶりに陰線を形成。ただ、13週、52週、26週の各移動平均線の上方は維持した。

 週初の日経平均は184.19円高と買いが先行し、27500円を明確に超えた。政府が日本銀行の次期総裁人事として雨宮正佳氏に打診する方向と報じられたことが手掛かりとなった。雨宮氏は黒田東彦総裁とともに金融政策運営を長期にわたって担ってきたため、他の総裁候補と比較して金融政策の修正が劇的に変化する可能性が低いとみられている。このため、為替の円高への警戒感が和らいだことが投資家心理を改善させたようだ。

 一方、その後は週末まで日経平均は27500円より上を維持しながらも膠着感の強い展開が続いた。次期総裁が誰になろうと、金融緩和政策の修正路線に変更はないとの見方が優勢で、為替の円安への戻しが一時的なものに終わったことが影響した。また、強い米雇用統計を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から連日でタカ派発言が相次いだことも投資家心理を悪化させた。

 週末も、日経平均は86.63円高と4日ぶりに反発も、高値の27814.02円からは伸び悩み、結局、週初からほぼ変わらない水準で取引を終えた。為替の円高が一服していたことや、東京エレクトロン<8035>をはじめとした主力企業の好決算を受けた買いが指数を一時押し上げたものの、今週に控える米国の物価指標の発表などを前に警戒感が上値を抑えた。

 今週の東京株式市場は神経質な展開か。米1月雇用統計が市場予想を大幅に上振れた後、先週はFRB高官からタカ派発言が相次いだ。一連の流れを受け、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前後で高まっていた早期の利上げ停止期待は大きく後退している。アナリストの業績予想の下方修正が進む中でも年始から米株式市場が上昇してきたのは株価収益率(PER)の上昇によるものだ。しかし、早期利上げ停止期待が後退し、米国金利の上昇がじわり続いている中では、今後はバリュエーションの調整が再開する可能性があろう。

 こうした中、14日には米1月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、波乱含みの展開が予想される。米CPIは食品・エネルギーを除くコア指数で前月比+0.3%(12月:同+0.3%)が予想されているが、米クリーブランド連銀が公表しているCPIナウキャストでは同+0.46%(9日時点)と予想されている。仮に上振れとなると、利上げ長期化懸念が強まる形でさらなる金利上昇と株価の調整局面入りが考えられる。

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