かつてないほど高騰している光熱費。悲鳴の声があちこちから上がっている。東京都在住の女性・Aさん(64才)は、1月の電気代の請求書を見て卒倒しそうになった。
「便利で安全だからとオール電化の住宅に引っ越したら、電気代が4万7000円。1年前と比べて、4割も値上がりしています」
厳しい寒さが続く中、光熱費の高騰が止まらない。Aさんのようなオール電化でなくても「過去最高」の請求額に苦しむ家庭は多い。北海道の市営住宅では、なんと、電気代が家賃を超えた家庭も出ている。
ピンチを乗り越えるカギとなるのが、電気やガスの使い方だ。すでに多くの家庭がせっせと光熱費削減に励んでいるが、実はまだ「節約の道」は閉ざされていない。節約アドバイザーの丸山晴美さんが指摘する。
「大切なのは家電や給湯器などの使い方を全面的に見直すこと。一つひとつは少ない額でも手を抜かずに実行すれば、年間10万円以上を節約することも夢ではありません」
エアコンの稼働時間を減らす&フィルター掃除
最初のターゲットは電気代に直結する家電製品だ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが語る。
「特にエアコンは家電製品別の電力消費割合がトップ。少し使い方を変えるだけでも節約効果が大きい。設定温度を1度下げると年間で約1650円節約できるので、フリース素材の部屋着や湯たんぽなどを併用し、現状より設定温度を1~2度下げられないか検討しましょう」
エアコンの「時短」をすすめるのは丸山さん。
「1日1時間、暖房の稼働時間を短くすれば年間で1260円の節約になる。20分ほどの外出ならつけっぱなしでいいですが、30分を超える外出のときはスイッチを切りましょう。湿度が高いと体感温度が上がるので、洗濯物を室内干しするなどして湿度を上げれば、エアコンの稼働時間を減らせます」