住まい・不動産

都心のマンション価格高騰でも要注意 オフィスビルに空き物件増加、「タワマン廃墟化」の未来も

都心のマンション価格は今後どうなるのか(イメージ)

都心のマンション価格は今後どうなるのか(イメージ)

 いま、アメリカでは不動産が値下がりしている。その原因は、5.2%という高金利だ。「この波はすぐに日本にも来ます」と話すのは、住宅ジャーナリストの榊淳司さんだ。需要と供給、金利、人口増減などで変わる不動産市場。最新の状況を教えてもらった。

都心のマンション価格は10年前の2倍に

「2011年の東日本大震災の直後、およそ5000万円で買った東京・中央区のマンションを最近売りに出したら1億円強で売れたんです」

 と言うのは、都内在住の会社員Sさん(52才)だ。Sさんの例だけではない。いま都心のマンションの価格は10年前の2倍に上がっているという。榊さんはこう語る。

「東京・山手線圏内の物件は、10年前に比べて2~2.5倍に上がっています。2008年のリーマン・ショックで不動産相場は底打ちしたものの、2013年からの異次元金融政策(金利調整といった従来の金融政策ではなく、量的・質的緩和策という異例の政策のこと)により大きく上昇。全国的に不動産価格は上がっています」

 不動産は金融機関から融資を受けて購入するケースが多い。低金利時代は多くの人が金を借り、安定した資産とされる土地や建物を求めるため、不動産のニーズが高まり、価格が高騰したのだ。

「2023年4月8日にアベノミクスを推し進めた黒田東彦日銀総裁の任期が満了します。次期総裁の方針次第で金利が上がり、不動産や株価の下落が起こる可能性も。東京のみならず、札幌、名古屋、大阪、博多など大都市に物件を持っている人は、いまが売り時かもしれません。購入を検討している人がいま買うなら固定金利を選ぶべきでしょう」(榊さん・以下同)

 駆け込み需要が増えそうだ。

オフィスや戸建ての空き物件は増える

 一方で、空き物件が増えているという。コロナ禍以降、リモートワークの普及により、オフィス需要が激減した。

 東京駅から徒歩10分の京橋や八丁堀エリアを歩いてみると、一棟丸ごと空室になっているオフィスビルが目立つ。都心だけではない。練馬駅や三鷹駅など郊外の駅前にあるオフィスビルも空きが多い。

「2022年7月、大手通信会社のNTTはテレワークを基本とした『リモートスタンダード制度』を発表。これに他社も追随しています。企業にとって家賃負担は重いため、フルリモート化は願ったりかなったり。今後も増え続けるでしょう」

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。