昨年来、続く物価高により、家計は厳しい状況が続く。支出を減らすため、節約を意識する人は多いだろう。2月発表の総務省「家計調査」によると、コロナ前の2019年と比較し、2022年は「冷凍食品」などへの支出が約3〜4割、マスクなど「保健用消耗品」への支出が約7割増えた一方、外食費や交通費、旅行、化粧品関連への支出は軒並み約3〜6割減った(2人以上の世帯)。「婦人服」への支出も同様で、2019年比34.5%減(同)となった。
コロナ禍を経て消費行動が変わるなか、多くの主婦を悩ませる出費のひとつが「着る機会は少ないが、おろそかにはできない」フォーマルウェアをどうするか、だ。最近は、子供の卒業式や入学式など「ハレの日」に着るセレモニー服の調達に苦心する家庭が多いという。子供の行事出席時に着るセレモニー服に悩む30代と40代の主婦2人に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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卒業式や入学式などで着るセレモニー服は、着る機会があまりないものの、きちんとした印象を求められる。そのため高品質素材が用いられることが多く、価格が高くなりやすい傾向にある。最近では手の届きやすい価格帯のセレモニー服が多く売られてはいるものの、例えば新品で1万円を下回る商品を探すのは難しい。そのため、多くの家庭にとって負担となっているようだ。
5万円のブランド服を「3000円で着る」方法
神奈川県在住の専業主婦・マリコさん(仮名、39歳)は、フリマアプリで人気ブランドのセレモニー服を購入して出費を抑えているという。
「もうすぐ上の子が幼稚園を卒園しますが、今後、2人の子供の入学や卒業に合わせてトータル5万円はするブランド品を買うことはできないので、フリマアプリで中古を購入しています。2万円も出せば、着用回数が少なくて綺麗なセレモニー服が手に入るので助かっています。最新モデルを購入することは難しいですが、無難なデザインを選べば、中古だからといって周囲から浮くこともないですよ」(マリコさん)
いくらブランドのセレモニー服とはいえ、中古で2万円は決して安い金額ではない。最近の低価格ファッションブランドの通販サイトでは1万円台で新品が手に入るし、レンタルサービスを利用すれば1万円以下で済むことがほとんどだ。マリコさんはなぜフリマアプリで割高感のある中古品を購入するのか。