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「スシローを救いたい動画」の流行を常連客たちが必ずしも歓迎していないワケ

普段から回転寿司チェーンを利用する常連客は「#救いたい」ブームをどう見ている?(時事通信フォト)

普段から回転寿司チェーンを利用する常連客は「#救いたい」ブームをどう見ている?(時事通信フォト)

 スシローをはじめとする回転寿司チェーンは、迷惑動画の拡散で大きなダメージを負った。高校生の少年が湯呑みや寿司、醤油のボトルをペロペロと舐める“ペロペロ事件”で衛生面への懸念も出るなど、客足への影響も懸念されている。そうしたなか、スシローを応援すべく、SNSでは同チェーンのファンらによって「#スシローを救いたい」のハッシュタグがつくられ、店舗で美味しそうに寿司を食べる様子が動画で拡散されるようになった。

 ネット上のインフルエンサーたちも、こうしたトレンドにすぐさま反応し、YouTubeに「スシロー行ってみた」系動画をアップしている。ホリエモンこと堀江貴文氏をはじめ、元SMAPの草なぎ剛、ローランド、魔裟斗といった著名人。さらにヒカルやスカイピース、中町兄弟といった人気YouTuberも参戦。普段は美容情報や整形情報を発信している美容系インフルエンサーたちもスシローを訪れ、Instagramに動画をアップするなど、賑わいを見せている。

 だが、普段から回転寿司を利用している常連客のなかには、こうしたトレンドに複雑な思いを抱いている人もいるようだ。

セレブたちが庶民を見下している?

 都内の私立大学に通う男子学生・Aさん(20歳)は、授業が終わった後に大学の友人と「くら寿司」をよく利用するという。

「今回、炎上に乗じてスシローや他の回転寿司に訪れ、動画を撮る有名人たちがいますが、あまりよい気持ちはしませんね。お金のある著名人たちは、“スシローを救う”という名目で来店して、『初めてスシローに来ました!』『思っていたよりも美味しいです!』『へ~、タッチパネルで頼むんだぁ、斬新!』などと、みんな同じような発言をしている印象です。

“普段は回転する寿司に行きません”というセレブアピールに見えるし、“回転寿司は庶民の行く場所”という上から目線を感じてしまうのは僕だけでしょうか……。また『正直にレビューします!』と、ネタを評価するようなコメントも嫌ですね。日常的に回転寿司を利用している学生からすると、ちょっと微妙な気持ちになるのが本音です」(Aさん)

 そもそもAさんは、「回転寿司はお金がないから行く場所」というイメージにも不満を持っていると言う。

「正直、アルバイトでやりくりしている大学生にとって、回転寿司チェーンは最高の場所なんですよ。もちろん、安価で美味しいお寿司が食べられるということも魅力ですが、男の一人暮らしだと魚を食べる機会がないんです。自炊をする時も、肉と米、パスタばっかりになるので、回転寿司で魚が食べられるのは本当にありがたい。お味噌汁やラーメンもあるので、寿司以外の栄養も取れますから」(同前)

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