日々の生活に潤いや安らぎを与えてくれる菓子。中でも、ガムは手軽に買える菓子の代表格だが、手に取る人が年々減っているようだ。日本チューインガム協会による「チューインガムの生産量」の統計を見ると、2004年を境に減少傾向が続く。2004年の4万6100トンから2021年には1万8950トンと、15年あまりで約6割減となっているのだ。
先日も明治が「キシリッシュ」などの販売を3月末で終了し、ガム事業から事実上撤退すると報じられたばかり。リフレッシュや眠気覚まし、口臭ケアなど、様々な機能を持ったガムも発売されているが、なぜ“ガム離れ”が進んでいるのか。実際にガムを買わなくなったという人たちに、その理由を聞いてみた。
タブレットやエナジードリンクでガムの役割を代替
「いつの間にガムを買わなくなりました」と話すのは、メーカーに勤務する30代男性・Aさん。学生時代はガムをよく噛んでいたが、今ではその習慣もなくなったという。
「昔はテスト勉強や受験勉強の時に、必ずセットで用意していました。でも、社会人になってからは全然食べなくなりましたね」(Aさん)
とはいえAさんによると、ガムが嫌いになったというわけではなく、「リフレッシュ、眠気覚まし、口臭ケアといった役割が、ほかのもので代替できるようになった結果」だと話す。その決定打になったのはガムならでは“欠点”だった。
「個人的には捨て場に困ったり、ゴミが出ることが最大のデメリットだと感じています。口に残ったままだと不快に感じるし、捨てようと思っても外だとゴミ箱の数が少ない。それに包み紙やティッシュペーパーがない場合は最悪です。その小さなストレスから逃れるため、自然と、口内をリフレッシュしたいならタブレット、眠気覚ましや気分転換ならエナジードリンクやコーヒー、口臭ケアにはマウスウォッシュか歯磨きに移行しました」(Aさん)