第1子妊娠時の苦労が頭をよぎって…
都内在住の専業主婦・アオイさん(仮名、45歳)は、健康面の不安が理由で第2子の妊娠・出産に向かうことを躊躇っていると打ち明けてくれた。
「不妊治療の経験、年齢的な問題、第1子妊娠時に切迫早産で2か月間入院したこと……。それらの複合的な理由で、第2子を前向きに考えることができません。子供がいたら賑やかだろうな、とか想像することはありますが、現実的には厳しいと思っています」(アオイさん)
夫の年齢は48歳で結婚生活も15年目になるが、当初はキャリア形成を優先しため、子作りは先延ばしにしていたそうだ。いざ、となった時になかなか妊娠できず、不妊治療を開始。それから3年目で第1子である現在3歳の子を授かることができたという。
「働きながらだとクリニックに通うのも大変だし、なかなか妊娠できないことへの焦りなどから精神的に参ってしまい、退職を選びました。現在はありがたいことに子育てに専念できる環境がありますが、これまでのことを思い出すと、次の妊娠のことをポジティブにとらえることができません」(同前)
夫婦間では「1人の子供を大切に育てていこう」と話し合いがまとまっているものの、付き合いのあるご近所ママ友たちの“応援”の言葉が心をざわつかせるそうだ。アオイさんはこう嘆く。
「『年齢のことなんて関係ないよ!』『切迫早産になって入院になったら、私たちもサポートするから安心して!』など言われるのですが、私にとっては負担感しかありません。どのママ友も20代・30代と若く、自然妊娠で授かったと言います。妊娠中もトラブルがなかったそうです。私の苦労を分かってほしいとまでは思いませんが、第2子に踏み切れないのにはさまざまな理由があることは察してほしいです」
家庭の数だけ子育てに対する考えは異なる。正解がない問題だからこそ、夫婦で話し合いを重ねることが大切だろう。とはいえ、子供を持つことを望む人たちが、妊娠や出産・育児に二の足を踏むような社会では少子化傾向が好転する希望は持ちづらい。人々の間にも柔軟な考えが広がり、子育てがよりしやすい環境が1日も早く整ってほしい。(了)