見落とせないのが大川氏が保有していた大量の貴金属だ。宏洋氏が語る。
「父は宝石や高級腕時計を欲しがりましたが、一度身に着けたモノは二度と着けない。講演のたびに宝石も腕時計も取り替えて、それを全部残している。将来『大川隆法博物館』を開くときに展示するためなんだそうです。
あるとき父の部屋に入ったことがあるが、数百本の腕時計が壁に吊り下げられ、それらを自動ネジ巻機で動かしていました。異様な光景でした」
国税庁OBの武田秀和・税理士が指摘する。
「大川氏が身に着けていた宝石や高級時計は、大川氏が自分のお金で購入していたのであれば個人資産で相続税の対象となるが、教団の資金で購入したのであれば、たとえ大川氏が保管していたとしても教団の資産で相続税の対象にはならない。
かつて、ある宗教団体の代表の自宅に税務調査をしたところ、大きな倉庫に時計や貴金属があった。これは所得隠しではないかと調べたが、教団は『すべてうちのカネで買った』と言う。そう言われれば、それ以上は無理でした」
幸福の科学グループ広報局は、大川氏の年収や後継者などについては「お答え致しません」としたが、「(腕時計や宝石は)教団が所有し、管理しております。著書の印税は、総裁が全額辞退しておられます」と回答した。
※週刊ポスト2023年3月24日号