保存場所は本棚を利用し、上段にレトルト食品、下段に缶詰を入れているという。
「本棚の奥行きが約20㎝なので、ちょうど食材を取り出しやすいサイズなんです。レトルト食品を立てて並べると本のようで見やすいし、われながらいいアイディア!(笑い)家族全員が、置き場所がわかるのもいいですよね。ステイホームのとき、夫と息子が『どれにする?』と楽しそうに選んでいるのを見て、食べる環境って大事だなとしみじみ思いました」
同じレトルトカレーでも、「これしかない」と思うより、「どれにしようかな」と楽しみがあると、災害時でも気分が前向きになるという。
「家にある防災食を食べてみて、好きか嫌いかを知っておくのも重要です。なぜなら、平時に嫌だと思うものは、災害時にはもっと嫌だと感じ、強いストレスになるのです」
缶詰やレトルトばかりが防災食ではない。家にあるパスタや餅、乾物なども、災害時に食べられるものと考えれば、防災食の1つになる。
「それらの食材にカセットコンロとガス、水、調味料があれば数日間の在宅避難は何とかなります。私が唯一心配するのは、家に食材を置かず、“目の前のコンビニが冷蔵庫代わり”というかたです」
さらに今泉さんは、水道や電気が使えない状況でも作れるレシピを開発している。
「たとえば、ポリ袋の中に食材を入れて湯せんするだけの『お湯ポチャレシピ(R)』は、1つの鍋で何種類も調理ができて、封を開けてそのまま食べれば洗い物もなし。オムライスやピラフ、酢豚、すき焼きだってできるんです。
以前足を骨折し、1か月ギプス生活をすることに。『コロナ禍で家族の食事作りをどうしよう!』と焦りましたが、いい機会だからと毎日お湯ポチャ料理にトライしてみました。座ってできるので骨折した足も苦にならず、蒸発する鍋の水を足すだけ。1か月やり遂げて自信がつきました」
ポリ袋は、「湯せん可」の耐熱性のものを選ぶこと。使い終わったポリ袋はゴミ袋に活用すれば、地球にもやさしい。