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「雑居房、独居房に座ってみた」新たな更生プログラムを導入した刑務所でオバ記者が感じたこと

雑居房は12畳。トイレと洗面台付きで8人が寝起きする

雑居房は12畳。トイレと洗面台付きで8人が寝起きする

雑居房、独居房に座ってみた

 とにかく明るい。喜連川社会復帰促進センターは、作業場も受刑者の居住空間も職員用の食堂も、大きな窓から日の光がふんだんに入ってくる。

 ランチを食べ終える頃には、刑務所にいるという緊張にも慣れてきた。敷地面積42万平米という広さが心地よい。聞こえるのは野鳥の鳴き声と、受刑者が歩きながらかけている「イッチニー」の号令だけ。「あれは?」と聞き終わらないうちに、「限られた職員で受刑者を管理するためには規律が重要なんです」と青柳さんの顔が厳しくなった。

 続いて、誰もいない雑居房に案内された。入所した受刑者は、12畳の部屋で8人が寝起きする雑居房に入る。その後、集団生活に不適合な受刑者は独居房になるというけれど、私ならどちらがよりしのぎやすいか……。

 まず雑居房に座ってみた。トイレに誰が入っているか、透明のアクリル板越しに丸見えだ。自殺防止のためというけれど、日の光が燦々と入る中、人の視線を気にしながら用など足せるのか。排せつ音はどうするのだろう。

「それはお互い様ですから慣れるしかないんです」(青柳さん)

独居房。内側にはドアノブがない

独居房。内側にはドアノブがない

 独居房はどうか。小さめの畳を3枚並べたスペースに、トイレと洗面台、テレビ台と机だ。気がねはない。しかし、座ると両壁が迫ってきて、雑居房より“囚われ人”になった感が強い。受刑者には土・日・祝日など、作業がお休みの“免業日”がある。本を読むもテレビを見るも自由だけれど、この狭い空間でわが身を振り返る瞬間を思うといたたまれなくなった。

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