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「雑居房、独居房に座ってみた」新たな更生プログラムを導入した刑務所でオバ記者が感じたこと

2005~2008年頃は犯罪が多く、共同室(雑居房)1室に12人が収容されるという過密状態。それが再犯防止策をすすめるきっかけとなった

2005~2008年頃は犯罪が多く、共同室(雑居房)1室に12人が収容されるという過密状態。それが再犯防止策をすすめるきっかけとなった

受刑者の1日

 実際に、受刑者はどんな過ごし方をしているのか。以下に、平日の過ごし方の一例を紹介する。

6:50 起床
 布団を畳み、歯磨きや洗面など身支度を整える。

7:10 朝食

7:40 出業
「出業」とは、刑務所内の工場に作業に出ること。刑務官が点呼を取り、全員揃っているか、健康状態に異常がないかを確認し、移動。作業着に着替え、担当職員の前に整列。挨拶と準備体操の後、作業にとりかかる。

8:00 作業開始
 民間企業から委託される製品の組み立てや加工がメイン。一例として、ボールペンの組み立て作業や木工製品制作など。ほかにもさまざまな職業訓練があり、農作物の栽培と収穫、受刑者の食事の調理や、衣類の洗濯といった生活の一部をまかなう作業もある。受刑者に選択権はなく、指定された作業に従事する。

12:00 昼食

12:30 作業再開
 作業の合間に運動する時間も含まれる。

16:20 作業終了

17:00 夕食
 就寝までは余暇時間。テレビやラジオ(指定された番組のみ)、読書など思い思いに過ごす。家族へ手紙を書く、出所後の身の振り方を考えて勉強する、相部屋の人との会話も楽しめる。規律に反する行為でない限り、自由が比較的許されている。

21:00 就寝
 面会は平日の8:30~12:00、13:00~16:30。時間は30分間。面会所が混雑している場合、なるべく多くの受刑者に機会を与える必要があるため、短縮することも。一度に会える人数は3人まで(未就学児は人数に含まず)。回数は月2回までだが、行状(素行)良好と認められれば、最大7回まで許可される。

●喜連川社会復帰促進センター
 定員は男性受刑者が1906名、女性受刑者が50名の1956名。刑期8年未満の受刑者を主に収容。施設敷地面積は425.891平米(東京ドーム約9個分)。職員は397名(支所を含む)。2021年末のデータによると、受刑者の罪状は、窃盗約30%、詐欺約21%、薬物事犯約12%、傷害約3%、強盗約3%、その他、交通事犯者や性犯など。

【プロフィール】
オバ記者こと野原広子(65才)/空中ブランコ、富士登山など体験取材を得意とする。

撮影/浅野剛

※女性セブン2023年3月23日号

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