オバ記者:なんだかゾッとしますね。ほかには?
青柳さん:累犯者が収容される刑務所に勤務していたときの話です。満期で釈放された受刑者が、当日の夜にベロベロに酔って、門の前で「作業報奨金(刑務作業を実施した受刑者には、出所後の生活資金の扶助として、作業報奨金が支給される)を使い切って一文無しになった。もう一度入りたい」って泣くんです。「ここは、はいそうですかと迎えられる場所じゃないよ」と伝えるといなくなりましたけどね。また警察のお世話になっていなきゃいいなと、ふと思い出します。
オバ記者:やるせないですね。
青柳さん:転勤先で「お久しぶりです。また来ました」と、別の刑務所にいた受刑者から声をかけられたこともあります。3か所で会った人の場合、3回目は80才を超えていました。
オバ記者:人生の大半を刑務所で過ごす。そういう人生を送らせないために、日頃どんな言葉をかけているんですか。
これからはまっとうに生きてほしい
オバ記者:人生の大半を刑務所で過ごす。そういう人生を送らせないために、日頃どんな言葉をかけているんですか?
青柳さん:「規則正しい生活を身につけなさい」「自分さえよければいいと考えてはいけません」「協調性を持って生活しなさい」ですね。あとは「バレなければいい」「みんながやっているから自分もいい」「これくらいだったら許してもらえるだろう」──そう思ってはいけないということもよく言いますね。
オバ記者:私たちにも共通する話ですね。
青柳さん:受刑者に限れば、「入所前の自分に戻っていないか、常に意識しなさい」でしょうか。人によっては、収容された当初は「やり直さなきゃ」という意識もあって、素直に指示に従っていたのに、刑期満了が近づくと「あ? なんスか!?」といった態度になったりします。
オバ記者:あらら。