就活系インフルエンサーの言葉には要注意
某私立大学の国際系学部を今春卒業予定の男性・Bさんは、自身の体験をこう振り返る。
「僕の通っている大学は、Fランと言われていますが、海外留学できるということを売りにしています。自分自身もコロナ禍は早めに収束すると思い、外国留学をして、それを『ガクチカ』にして就職活動をしようと考えていました。ただ、意外にもコロナが長引き、2021年、2022年に留学のプログラム自体がなくなってしまったんです。そこで完全にやる気を失い、大学に通うモチベーションもなくなってしまいました。
ただ、そんななか学部の先輩から『留学だけがガクチカじゃないよ』『諦めたら絶対に内定は取れない』と叱咤激励されました。そこでまずは、クラスやゼミなどで、できる限りリーダーシップを発揮するように意識を変えていきました。就活中は高学歴の学生に接する機会が増えますが、その人たちがみんな積極性があるとか、リーダーシップが取れるというわけではないです。就活は受験勉強とは別の能力が必要になるので、大学名だけで自分を卑下する必要はないと思います」
Bさんは、Fラン大生にとって就活で参考にすべきは、ネットの就活系インフルエンサーではなく大学のキャリアセンターや同じ大学の先輩たちだと言う。
「ネットの就活系インフルエンサーには注意してください。彼らは、Fラン生を狙っています。就活の師匠と信じていたのに、それがマルチ商法やネットワークビジネスの勧誘だったというパターンはよく耳にします。
また、ネットではよく『10社しか受けない東大生vs 100社受けるFラン大生』とネタにされることもありますが、一方で就職アドバイザー的な人たちが『100社受けるよりも、1社に絞って戦え!』というようなアドバイスをしています。こうなるともう、何を信じたらいいか不安になりますよね。
結局、ネットの怪しい人たちのアドバイスを聞くのではなく、各大学にあるキャリアセンターに相談をしたり、実際に就職活動が上手く行った先輩に話を聞いたほうがよっぽど有益です。OB、OG訪問では、就活に成功したFランの先輩を探しましょう。それが一番リアルな就活体験だと思います」(同前)
AさんやBさんによれば、充実した大学生活を送っていても、就職活動を通じてはじめて「Fラン大生」であるという社会的な評価に直面したという。そうしたなかで就活を成功させるためには、学歴コンプレックスをどう乗り越えるかというポイントも重要となってくるだろう。(了)