コロナ禍で一気に広まったフードデリバリーサービス。その利便性から、日常的に利用するようになった人も少なくないだろうが、注文した商品の価格以外に配達員に渡す「チップ」についてどう考えるか、意見は様々なようだ。
menu株式会社が3月に発表した「チップに関する現状調査2023」(全国の生活者441人、配達員1333人が回答)によると、フードデリバリーで配達員にどのくらいの頻度でチップを払うかという問いに対して、「毎回支払う」と回答した人が26.1%で最多となった。次いで「ほとんど支払わない」が24.5%。チップの支払い額については「100~200円」の範囲で支払うと回答した人が最多(22.2%)だった。
海外では浸透していても、日本ではまだ馴染みの薄いチップ文化。フードデリバリーを注文した際に渡す人、渡さない人は、チップのことをどう考えているのだろうか。それぞれに聞いてみた。
「そもそも出前にチップを渡す習慣はない」
IT企業に勤務する40代・男性Aさんは、フードデリバリーでチップを渡したことはない。
「配送料金のなかに、運んでくれるお礼もそれに含めている気持ちでいます。もちろん感謝はありますが、渡したところでサービスは同じなわけですし……。配達員に対するボーナスのような意味合いなら、運営会社が支払うべきだと思っています。そもそも昔ながらの出前やデリパリーピザだって、チップを渡す習慣はなかったわけですし、宅配便の配達員さんにも渡さないですよね」(Aさん)
Aさんは実際にフードデリバリーを頼むようになって、あらためてチップのあり方を考えたという。
「盛り付けが崩れていたり、汁物だと汁がもれていることもあって、むしろお金を返してほしい、ぐらいのこともしばしばありました。やっぱりチップはそれに見合う対価だったり、想定を上回るようなサービスだったと感じたに渡すものだと思うので、“及第点”だけで追加料金を払う気にはならないです。仮に配達員を指名できるなら、指名料という形で、あってもいいかなと思うレベルです」(Aさん)