コロナ禍で、都市部を中心に急速に浸透した「フードデリバリーサービス」。自宅にいながら人気店や有名店のメニューを堪能できることから、日々の生活で重宝している人もいるだろう。その一方で、「魅力は感じるけど、まだ一度も利用したことがない」という人もいる。彼ら/彼女たちが、フードデリバリーの利用に躊躇してしまう理由は何か。リアルな声を集めた。
メニューに割高感を感じる
「『フードデリバリーサービスを利用したことがない』と言うと、友人や同僚に驚かれます」と語るのは、メーカーに勤務する30代男性・Aさんだ。Aさんが住む家から、飲食店やスーパーなどが集中する駅前までは、急坂を上り約10分歩かなければならない。
「コロナ禍で、一気にみんな利用するようになりましたよね。確かに外出しなくても食料が調達できるフードデリバリーサービスは便利だと思います。特に僕が住んでいるところだと、駅前まで出かけるのが億劫になることもあるので、使ってみたいと思ったことはあります。実際、マンション内で頻繁に配達員を見かけますし、オーダーしたくなる人の気持ちはわかります」(Aさん)
そんなAさんは、スマホにアプリをインストール済み。起動してメニューを見たことは何度もあるが、注文に至ったことはまだないという。
「何度見ても、やっぱり割高感で躊躇しちゃうんですよね……。配送料をはじめ、メニュー価格も割高な専用価格であることも多い。ファストフード店でさえ軽く1000円を超えてしまうのは恐ろしいです。それだけお金を払うぐらいなら坂を越えようと思うし、ただでさえ在宅勤務で家にずっといるのに、食料調達までデリバリーに頼ったら“怠けモノ”すぎると思ってしまい、結局、利用しないまま今に至っています」(Aさん)