家族が亡くなると、精神的にも手続き的にも遺族の負担は大きい。そんな遺族をサポートするために、“申請すればもらえるお金”がある。気が動転して忘れがちだが、その後も生活が続く遺族には助かる制度も多い。可能ならあらかじめ準備できる書類は揃えておこう。
故人が家族の生計を立てていた場合、遺族は遺族年金をもらえる可能性がある。社会保険労務士の井戸美枝さんはこう話す。
「家計を支えていた世帯主が亡くなった場合、残された家族が生活に困らないように遺族年金が支給されます。いくら受け取れるかは、故人が加入していた年金の種類などで異なりますが、原則、年収が850万円以上の遺族は受給できません」
事前に書類をまとめ、手続きは1日で
「故人が国民健康保険や後期高齢者医療保険の加入者であれば、亡くなってから14日以内に『資格喪失届』を提出しなければなりません。そのときに、市区町村の国民健康保険の窓口に保険証を返却しますので、あわせて『葬祭費』の申請も行いましょう」(井戸さん・以下同)
故人が会社員だった場合、葬祭費の代わりに「埋葬料・埋葬費」が健康保険(協会けんぽ)から5万円が支給される。
健康保険関連でもう1つ気に留めておきたいのが、高額療養費制度だ。
「故人の生前に高額な医療費がかかっていれば、高額療養費制度を申請すれば、医療費が戻ってくる可能性もあります。すでに適用済みでも、多数回該当する場合もあるので確認を」