上司に伝えるのは周囲に人のいないところで
辞意を伝えてから働き続ける残りの期間を「気まずい」と感じる人も少なくない。どのくらい前に言うべきか。
「民法では退職希望日の2週間前に、その意思を伝えればよいと定められています。したがって、会社の就業規則で『1か月前までに申し出ること』等といった規定があっても当該規則は民法に反するため、無効となります。ただし、円満退職を希望する場合は事前に規定を確認したうえで当該規定を尊重することもひとつの考え方としてはよいでしょう。引き継ぎなどをしっかり行わないと会社から損害賠償請求をされるリスクもあり、注意が必要です」
では、どこで伝えればいいか。湘南SRオフィス代表で社会保険労務士の中山大輔さんがアドバイスする。
「可能であれば、周囲に人のいないところで上司に直接伝えてください。人前で伝えるのは、ほかの従業員にいい影響を与えない場合も少なくない。職場の雰囲気が悪くなり、余計なトラブルを引き起こす可能性があります」
雇用する側や職場に残る同僚の気持ちもきちんと考えて進めれば、無用なトラブルは避けられるはずだ。
本来なら有給休暇がもらえるはずだったのに…
岐阜県に住むBさん(48才・仮名)は、飲食店のパートを辞めたとき、店長に言われたことがいまでも心に引っかかっている。
「7年間、週3日ほど働いていたパート先を親の介護を理由に辞めることにしました。パートでも有給休暇がもらえるはずだと聞いてそのことを店長に言ったら“ウチはシフト制なので無理”と一蹴され、それ以上何も言えませんでした。本当にもらえなかったのでしょうか……」