ただし、投資信託とETFでは運用ルールが異なるという点には注意が必要となる。
「ETFは投資信託と異なり、分配金の再投資が自動で行なわれません。そのため、複利効果を得るには自分で再投資しなければなりません。また、積み立てに対応している商品が少なく、自分で毎月買い増すといった手間が必要になります」(深野氏)
多少の手間がかかる分、手数料を安く抑えて運用できるというわけだ。
以上を踏まえて、ETFの買い方と銘柄の選び方を解説する。
資産を手堅く分散する
ETFの取引をスタートするには、まずは証券会社で口座を開く。
「銀行や郵便局ではETFを扱っていません。証券会社で口座を開けば窓口でも購入できます」(前出・風呂内氏)
購入する際には、投資信託と同じく「リスク分散」がポイントとなる。
「投資では元手となる資金を値動きのタイミングなどが異なる資産に分けて保有し、リスクを分散することを目指します。ETFは株や債券などの異なる資産を組み合わせたバランス型ファンドの商品が少なく、自分で組み合わせる必要があります。そのため、国内株や外国株、債券、不動産、金などのETFを組み合わせてバランスよく保有することが望ましい」(風呂内氏)
一方、深野氏は「複数口購入することでリスクの分散になる」と語る。
「仮に10口購入して価格が2倍に上がったとすると、半分の5口を売却すれば元本を回収できます。残りを保有し続け、価格がさらに上昇すれば資産がまた増えていくというやり方ができるとよい」