昨今、メディアで取り上げられる機会も多い、持続可能な開発を目指す17の国際目標「SDGs」への取り組み。「貧困を無くそう」「飢餓をゼロに」など17の項目からなり、世界各国で目標達成度合いが測られている。日本ではエコバッグを持ち歩く姿も当たり前に見かけるようになったが、開発途上国ではどのようにSDGs取り組んでいるのか。現在、タイとラオスに滞在中のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が、実際に現地で感じた様子をリポートする。
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SDGsの中でも注目されがちなのが、「12:つくる責任 つかう責任」「13:気候変動に具体的な対策を」です。というのも、特に日本では「脱炭素」「プラスチックゴミ削減」が強調されたから。小泉進次郎・元環境相の「おぼろげながら46%という削減目標が出た(意訳)」や国連総会での「気候変動問題に取り組むことはきっとセクシーでしょう」発言が注目を浴びました。日本では2020年7月にレジ袋が有料化されたほか、コンビニのプラスチックスプーンの有料化も検討されるなど、大いに話題となりました。
2022年6月2日に公開された「Sustainable Development Report 2022」の、SDGs達成度ランキング(163か国を対象)の上位には、1位・フィンランド、2位・デンマーク、3位・スウェーデン、4位・ノルウェーと北欧諸国の名前が並んでいます。その後に、オーストリア、ドイツ、フランスなどが続き、日本は19位。やはり先進国が積極的に取り組んでいる印象ですが、東南アジアの国々も頑張っています。タイが44位、ベトナムが55位など、全体の中盤にランクインしています。
また、みずほ総研が2020年12月25日に発表した「コロナ禍におけるASEANでのSDGs」というレポートでは、「ASEANでは、政策への織り込みや企業の環境ビジネスの拡大等を通じてSDGsへの取り組みが行われており、経済発展の影響も受けながら、これまでに一定の成果をあげている」と述べられています。
というわけで、東南アジア各国もSDGsに取り組んでいるのは間違いないようですが、実際にタイ・ラオスの現地で過ごしてみると、身近かつ象徴的な「12:つくる責任 つかう責任」「13:気候変動に具体的な対策を」においては、どうしても???マークがつくのです。