パチンコの大きな音に嫌悪感を示すユーザーがいるのに、どうしてそんなに大きな音が鳴るように設計されているのだろうか。
「音が派手だったり、大きかったりすることで、“盛り上がっている”雰囲気を演出できるというのは間違いない。ホールとしても、多少騒がしくても、大きな音が鳴っている方が、“出ている感”につながるわけで、“出ている感”があればユーザーも寄ってくる。だからこそ、あえて大きな音のまま営業するホールもあります」(藤井氏)
音量を設定できることを知らないユーザーも
現在のパチンコやパチスロでは、ユーザーが自分で台の音量を設定することができる。単純に自分で大きすぎると感じたならば、音量を下げて打つこともできるのだ。
「ホール側はデフォルト状態の音量設定することができるのですが、かつては最大音量をデフォルトにするホールも珍しくはありませんでした。そのせいもあって、かなり大きな音のまま遊技するユーザーも多かった。ただ、最近は効果音の派手さがどんどんエスカレートして、最大音量で遊技するとさすがにうるさすぎるということも多く、音量を下げて打つユーザーが増えています。
また、小さめの音量をデフォルトに設定するホールも増えています。そうすることで、ユーザー同士の音量に関するトラブルは防げますし、単純に従業員の耳にも優しい。パチンコ・パチスロの効果音自体はかなり派手になっていますが、騒音は昔に比べるとそれなりに軽減されている印象です」(藤井氏)
しかし、そんななかでも、パチンコ・パチスロの音量がもとでユーザー同士のトラブルに発展することもあるようだ。
「他の台が小さな音量で遊技していても、最大音量で遊技するユーザーもたまにいます。たしかに“気持ちいい効果音”があって、それが鳴るのが快感なのはわかるんですが、そういったユーザーがいることで、ほかのユーザーがピリピリしてしまう。
また、自分で音量を設定できることを知らない初心者ユーザーが、大音量で打っているケースも見かけます。最近は小さめの音で遊技するユーザーが増えたことで、大音量ユーザーが悪目立ちしやすいという状況もあり、ユーザー同士のトラブルに発展することもあります」(藤井氏)
スマート遊技機の登場で、ある程度は騒音問題も軽減されると予想されるが、“台の音量”についてのマナー徹底はまた別の話。ホール側としては、音量に関するマナーをしっかり啓蒙していく必要があるのかもしれない。(了)