新年度に入ると、生活環境が大きく変わる人も少なくない。そんな時期こそ、生活を見直すことが大きな節約につながる。「手放すこと」「やめること」でどれだけ得するのか、見てみよう。
あると便利だが、維持費もかかる自家用車。手放すことで得られる利益も大きい。ファイナンシャルプランナーの森田悦子さんが説明する。
「都内で1500ccクラスの車を1台持っているだけで駐車場代(年24万円)、任意保険(年6万円)、自動車税(年3万4500円)、車検(年7万円)に、高騰するガソリン代を加え、年間50万円ほどの維持費がかかります。手放すと高額の維持費が浮くだけでなく、売却費用が臨時ボーナスになる。ちなみに車の下取り価格は地方より都市部の方が高い傾向があるため、地方在住の場合は、地元から離れたとしても、都市圏で売却することも視野に入れた方がいいでしょう」
ここ数年はネットスーパーをはじめとした宅配サービスが普及し、車がなくても暮らせる生活圏は着実に広がっている。
「そうしたサービスで買い物の一部を代替できます。また、街中の駐車場などを拠点に車を共同利用するカーシェアリングは3時間利用の料金が3000円程度。毎月2回利用しても年7万円ほどで、マイカーの維持費より断然安くすみます」(森田さん)
家族で複数の車を所有している場合、まずは1台減らして様子を見てもいいだろう。
ネットスーパーのほうが使い勝手がいい?
毎日の食事代も賢く節約したいが、落とし穴となるのは「生協」だ。50代主婦が言う。
「“便利で健康にいいから”と近所の人にすすめられて生協に加入したけど、品切れでほしい物が買えないときもあるし、何も買わない月も手数料を取られる場合もある。生活必需品も生協だけではまかなえないから、結局、ほかのスーパーを利用して無駄な出費になることもあります」
ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが言う。
「家計診断をしていると生協利用者は利用していない人に比べて月3万~4万円ほど食費が高い傾向にあります。必要なときに購入でき、配達料も手頃なネットスーパーの方が使い勝手がよいでしょう」