投資情報会社・フィスコが4月3日~4月7日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。欧米金融不安は根強いものの、過度な懸念は和らぎ、安全通貨の円選好地合いは弱まる見通し。また、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑止の方針を堅持すれば、ドル買い・円売りは継続する可能性がある。バイデン米大統領は銀行危機について「まだ終わっていない」との認識を示し、目先も警戒感から安全通貨は売りづらいだろう。ただ、米国では経営難に陥った金融機関に対する政府や当局の対応により、現時点で連鎖的な破たんは抑制されている。
一方、パウエルFRB議長は21-22日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、利上げ休止を検討したとの経緯を明かしたが、インフレ抑止に向け引き締め姿勢を堅持。米長期金利は下げづらく、ドルへの売りは縮小しつつある。今後は5月開催の次回FOMCに向け、経済指標で利上げサイクルの継続を見極める展開に。4月7日の米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数は前回から減少、失業率は横ばい、平均時給は低下と予想される。市場予想を上回った場合、金利高・ドル高の材料となろう。
銀行の経営破たんは回避されたとしても、融資の厳格化による景気減速への懸念は残る。ISM景気指数で製造業、非製造業でリセッションへの危機感が広がれば、ドルの上昇を抑える可能性はあろう。
【米・3月ISM製造業景況指数】(4月3日発表予定)
4月3日発表の米3月ISM製造業景況指数は47.5と、前月の47.7から小幅に低下する見通し。製造業の回復が遅れ、先行き不透明感が広がれば、ドル安要因になりやすい。
【米・3月雇用統計】(4月7日発表予定)
4月7日発表の3月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+24.0万人、失業率は3.6%、平均時給は前年比+4.3%の見通し。賃金の伸びが市場予想を下回った場合はドル売りの材料に。