「2ケタの足し算」も基本は同じ
では、「3+3+8+4+5+2」はどうでしょう。繰り返しますが、ポイントは、「足して10になる数を探す」ことです。
すると、まず「8+2」が目に入ってきます。これで10が1つ作れました。
次はどうでしょう。慣れてくると、「3+3+4」の10が見えてきます。これで20になります。残りは5だけなので、25とすぐに計算できます。
この方法の優れた点は、10を作ってしまえば、もう1の位は(0になったので)気にしなくてよい、というところです。つまり、処理の量がぐんと減るわけです。
この応用編として、2ケタの足し算を暗算ですることもできます。たとえば、「16+21+17+24」はどうでしょう。
こうなるとさすがに、最初から順番に暗算で足すのはキツくなります。10の位と1の位を同時に処理しないといけないので、情報量がぐんと増えてしまいます。
そこで、1の位だけに注目して、先ほどと同様に足して10になる数を見つけます。すると、16の6と24の4が見えます。これで足して10になって、10の位に1が繰り上がるので、10の位は「1+2+1」の4です。つまり、これで40が作れました。
あとは残りの「21+17」を計算して、38です。そして、この数の10の位に4を加えればよい(1の位は見なくていい)ので、結果は78となります。
どうでしょう。この方法の優れた点が、少しずつ感じられてきたのではないでしょうか。
【プロフィール】
鈴木伸介(すずき・しんすけ)/1979年、奈良県生まれ。株式会社数学アカデミー代表取締役。おとなのENJOY! 数学クラブ主宰。中小企業診断士。早稲田大学理工学部卒。医学部受験に特化した数学マンツーマン指導事業を中心に、企業を対象にした数学リテラシー向上研修やデータ分析コンサルティング事業を行なう。数学の価値・楽しさ・使い方を広く伝える活動を行なっている。著書に『もう一度解いてみる入試数学』(すばる舎)がある。