新型コロナウイルスの感染拡大により、長らく“声出しNG”を余儀なくされていたライブシーン。約3年の時間を経て、感染対策を徹底したうえでの大声発声の制限が廃止されたほか、収容率上限100%の公演開催も許可されるようになった。ようやく満員のライブ会場で、ステージと客席が一緒に楽しめるようになり、多くの音楽ファンやアーティストが喜びの声を寄せている。
その一方で“声出し解禁”となったライブ会場には、「初めてライブ会場に足を運ぶ新規ファンが明らかに増えている」(ライブ会場の女性客)という声もある。コロナ禍の空いた時間で“推し活”をスタートし、アイドルグループなどにハマった人たちが、“声出し解禁”を機にこぞって初参戦しているというのだ。
とはいえ、初めてライブを体験する新規ファンのなかには、コロナ禍以前からのライブマナーや暗黙のルールなどを知らない人も多い。そんな新規ファンの行動に、古参ファンからは苦言の声も出ている。
K-POPの某アイドルグループを応援している古参ファンの会社員女性・Aさん(40代)は、声出し解禁以降のライブ会場で違和感を覚えることが多々あるという。
「新規ファンを否定して、彼女たちにマウントを取りたいわけではないと先に言っておきますが……。ライブの空気を知らずに会場に来て悪目立ちしている人が多いのが、かなり気になります。たとえば、ステージから遠く離れたスタンド席なのに、狭い座席で飛び跳ねて踊ったり、絶叫して大声で叫んだりする子たちがいますが、『明らかに新規だな』とわかります。
あと、韓国人のファンの子は『サランヘー!(愛してる)』とかよく叫ぶんですが、日本のライブで声出しOKになって以降、アイドルがMCをしている最中に日本語で『かわいいー!!』『がんばれー!!』とか、大声でステージに向かって叫ぶような子もいて、やっぱり違和感があります。グループとそのファンごとに空気感があるので、それに合わせられない新規ファンは迷惑ですね」(Aさん)