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【ドル円週間見通し】伸び悩みか 米金融政策のスタンスにも注目

今週のドル円注目ポイントは?

今週のドル円注目ポイントは?

 投資情報会社・フィスコが4月10日~4月14日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル円は伸び悩みか。米国経済に先行き不透明感が広がり始め、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め方針の後退を見込んだドル売りが見込まれる。5月の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利上げ停止の観測も根強いだろう。直近発表の米雇用関連統計では、当局が重視するJOLTS求人件数は予想外に減少。3月ISM景況感指数で雇用の伸びが鈍化するなど、労働市場の収縮が警戒されている。FRBはこれまで、強い雇用情勢を背景に引き締め政策を進めてきたが、その土台が揺らぐ。

 FRB当局者のなかでもタカ派寄りとして知られるクリーブランド連銀メスター総裁は、直近の講演で「金利はもう少し上昇してから維持すると見込む」と述べた。その一方で、5月2-3日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で利上げを決定するかどうか「まだ言及できない」と慎重な姿勢を示している。欧米金融システムへの過度な懸念は和らぎ、FRBはインフレ抑止に前向きなスタンスを示している。ただ、4月12日に公表されるFOMC議事要旨では利上げ休止が議論されたとみられ、議事要旨で明らかになれば米金利安・ドル安に振れやすい。

 なお、FEDウォッチによると、5月2-3日開催の次回FOMCでは政策金利据え置きの予想と0.25%利上げの予想はほぼ拮抗。今週発表の消費者物価指数(CPI)はコア指数も含め伸びが鈍化、小売売上高はマイナスと予想され、利上げ休止の観測が高まればドル売りが強まる可能性がある。

【米・3月CPI】(12日発表予定)
 12日発表の3月CPIは前年比+5.6%と予想されている。コアCPIは2月実績を上回る可能性があるが、市場予想を下回った場合、利上げ継続への期待は後退し、ドル売り要因となる。

【米・3月小売売上高】(14日発表予定)
 14日21時半発表の米3月小売売上高は前月比-0.4%と、さえない数字となる可能性がある。マイナスが続き消費の弱さが目立つため、市場予想と一致した場合、景気回復の遅れを嫌気したドル売り要因となりそうだ。

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