円は弱くなる一方だし、値上げは止まらない。少しでも節約をしたいところだが、そんな暮らしばかりが続くと、息が詰まるもの。そこで、注目したいのが「株主優待」。お得な優待が受けられれば節約にもなるし、レジャーやグルメなどプチ贅沢も味わえる。
もちろん、できるだけお得な優待の銘柄を選びたいところだが、優待内容にとらわれすぎるのは要注意だという。こころトレード研究所所長の坂本慎太郎さんは、こう話す。
「優待内容や利回りばかりに注目して、自分で使わない商品やサービスをもらっても意味がない。利回りに踊らされないことが肝心です」
何より株式投資である以上、損はなるべく避けたい。株主優待に詳しいファイナンシャルプランナーの森田悦子さんが解説する。
「株価が大幅に下がって損をしてしまうと意味がない。業績をチェックし、赤字続きで黒字化の見込みがなさそうな企業には投資しないのが大鉄則です」
買うタイミングにも注意が必要だ。
「人気の優待銘柄は権利日が近づくと株価が上がりやすいので、できれば2か月前までに買っておくのが理想的。日経平均株価のチャートと比較して、権利日前に明らかに値上がりしているものは優待狙いの可能性が高い。飛び乗ると権利落ち後(株主権利を得ることができる権利付き最終日の翌営業日)に大きな含み損を抱えるリスクがあります」(森田さん・以下同)
ただ、権利日まであと数日というタイミングで株価が下がる場合もあり、あきらめずウオッチすればお得に購入できることもある。目先の値動きに振り回されず、長い目で見ることが賢い投資にもつながる。
「長期保有で優待が拡充されるところが多い。飽きの来ない優待内容の銘柄を選んで長期保有すると楽しみが広がります。100株など最低単元でお得な優待がもらえる銘柄は、パートナーにも投資してもらって、夫婦で受け取るのもおすすめです」