ただし地方は交通アクセスが発達していない場合がある。『かかりつけ医は選ぶ時代』の著者で、ティーズ内科クリニック院長の土山智也さんは「マイカー通院」に適した立地を重視する。
「地方は車で通いやすいクリニックがおすすめです。裏通りや車の往来が激しい立地、駐車場が狭くて車が止めにくい立地は受診しづらい」
都心の高層ビルに入居するクリニックはハイソなイメージで気分が上がるが、長く診てもらうつもりならば疑問が生じる。
「高層ビルや家賃の高そうな建物に入居するクリニックは、将来的に家賃が払えなくなり移転や廃業の恐れがある。特に開業したての場合はコンサルタントの言いなりで決めた可能性があり、採算が取れずいずれ撤退するリスクがあります」(土山さん・以下同)
クリニックの「開業年数」も判断の目安になる。
「一般に、かかりつけ医は風邪から生活習慣病まで総合的に患者の体調を診ますが、新規に開業したての医師の場合、そうしたトータルの診療に慣れていない可能性があります。逆に肝臓病や糖尿病など特定の病気に特化して診てもらいたい場合は、大学病院などで専門外来の経験があり、開業年数が浅い医師の方が満足できるかもしれません」
一方、「モチベーション」は新規開業の医師の方が開業歴の長い医師を上回ることがある。
「開業したての医師はやる気に満ちているうえ、受け持ちの患者が少なく、診察や説明を丁寧にする傾向があるので狙い目です。ただし開業から1年以上経っても駐車場も待合室もガラガラで患者が増えていない場合、医師がやる気を失っているか、クリニックに問題があるかもしれないので注意すべきです」
※女性セブン2023年4月20日号