家計

大阪万博「全面キャッシュレス化」発表も通信障害にどう備える?「現金決済なくて大丈夫か」と不安視する声も

2025年大阪・関西万博の開幕1000日前イベントで、愛称が「ミャクミャク」と発表された公式キャラクター(時事通信フォト)

2025年大阪・関西万博の開幕1000日前イベントで、愛称が「ミャクミャク」と発表された公式キャラクター(時事通信フォト)

サイバー攻撃への備えは?

 ただ、そのうえで三上氏は“外部要因”についてこう懸念を指摘した。

「昨年だとKDDI、一昨年だとNTTドコモで通信障害が発生していますが、その際にはいずれもキャッシュレス決済ができない店が出ました。大阪・関西万博の運営側の事情ではなく、携帯キャリアの通信障害などによって会場内でキャッシュレス決済ができなくなる事態が起きる可能性は排除できません。そうしたリスクへの備えが十分でないと、チケットの発券もオンラインなので、大きなトラブルに発展する懸念はあります。

 もう一点は大阪・関西万博の独自決済アプリそのものなどのシステム障害も起こり得ること。もちろん安全対策は取られるにせよ、アクセスが集中したり、予期せぬ障害が起きた時にシステムが停止するリスクは存在します。すべてをキャッシュレス決済化というのは先進的な取り組みではありますが、大阪・関西万博のように広く万人が集うようなイベントにおいて、バックアップとしての現金決済が用意されないのであれば、怖さはあります。システムというのは障害を起こす可能性をゼロにはできない。障害が起きた時の何らかのバックアップを用意するのが常識ですが、どのような備え方になるのか注視する必要があります」

 加えてサイバー攻撃などのリスクも当然、念頭に置く必要があるだろう。改めて協会に聞くと、サイバー攻撃などについての対策は「受託いただく金融機関のシステムによって運営管理されるので、対策は金融機関に対応いただくことになります」とし、通信障害については「対応策を検討しています。(障害が起きた時に現金が使えるかについても)検討中です」との回答だった。

 万博を成功裡に終えてキャッシュレス決済の普及拡大のきっかけとできるのか、期待と注目が集まることになる。(了)

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