鳥インフルエンザの流行で、卵の価格高騰・品薄が続き、外食産業でも卵メニューの販売が休止が相次ぐなど、「エッグショック」と呼ばれる事態となっている。JA全農たまごの相場情報によると、3月の卸値平均値(Mサイズ、東京)は、1キロ当たり343円。前年同月(195円)よりも148円高い価格だ。手軽な食材として重宝していた卵だが、急激な価格高騰に伴い、今では「買い控え」をするようになった消費者もいるようだ。
売り場には高い卵しか残っていない
IT企業に勤務する30代男性・Aさん(埼玉県在住)は、卵を以前よりも気軽に買えなくなっている生活を明かす。
「近所のスーパーでは、一時期、『卵10個入り1パック』が300円を超えていました。僕としては、1パックが200円ぐらいの感覚だったので、最初その値段を見た時は、卵売り場の前で一瞬動きが固まりました」(Aさん)
栄養価が高い卵。Aさんはこれまで、毎日1~2個食べるのが当たり前だったが、「最近は食べない日も出てきた」という。
「卵かけごはん、ゆで卵、スクランブルエッグ、だし巻き卵、卵とじ……など、毎日、何かしら卵を食べていました。冷蔵庫に卵さえあれば食事はなんとかなるという気持ちもありました。それが今回の高騰で初めて『卵って安かったんだ』と感じるようになりました」(Aさん)
アパレル関連企業に勤務する20代女性・Bさん(都内在住)は、「私が買いに行くと、売り場には高い卵しか残っていない」と嘆く。
「私はいつも22時頃買い物をするのですが、近所の24時間スーパーでは、その時間になると6個入りが300~400円近くするような高い卵しか残っていません。さすがに1個50円と考えると、買うのを控えてしまいます。同じように考える人が多いから、売れ残っているのでしょうね。
最近は割引シールが貼られているのも目にするようになって、先日、初めて“高級卵”を買ってしまいました。まあ、元々が高いから、割引されても高いんですけどね」(Bさん)