別に、相手企業のトップと親しく付き合うということではなく、予算を握っているのが課長や部長であれば、その立場の人と信頼関係を結ぶことを考えます。そのために大事なのは、相手の期待を超えるアウトプット(結果)を出すことと、雑談を通じて関係性を深めていくことです。
ここでは、「BtoB」ではなく、あくまで「CtoC」の関係性を重視します。意思決定者と個人的な会話ができないままでは、いつまで経っても上下関係が続いてしまうことになります。立場の違いによって生まれる上下関係は、「BtoB」の観点で考えたのでは、いつまでも改善できません。あくまで「CtoC」の視点に立って、その関係性を少しずつ崩していく必要があります。
信頼関係を結ぶ3つのコツ
海外のビジネスマンが雑談を通して実践している3つのアプローチ法を紹介します。
【1】お互いの共通の「趣味」を見つける
これは最もベーシックなアプローチ法ですから、日本でも仕事のできるビジネスマンは実践しています。
「ゴルフがお好きなんですか? 私も大好きです。今度、ご一緒しませんか?」
「お酒はお好きですか? 面白いお店がありますので、ぜひ行きましょう」
「お子さんはウチと同い年ですね。子供たちと一緒に何かやりませんか?」
共通の趣味が見つかれば、お互いに語り合える話題がありますから、親近感が増して信頼関係が結びやすくなります。
【2】お互いに共通する「体験」や「考え方」を共有する
雑談を通して共通した体験や考え方が見つかれば、お互いが身近な存在と感じられるようになります。
「私も何度か転勤していますが、単身赴任というのは本当に寂しいですよね?」
「仕事で最も辛かったのはどんな時期ですか?」
「逆に、一番楽しかったお仕事は何ですか?」
相手と何度か顔を合わせて、こうしたことを聞けるようになれば、次第に関係性が変わり始めます。相手の挫折体験まで話が及べば、お互いにリラックスした雑談ができます。
日本では、手っ取り早く学歴や出身地を共通の話題にすることが多いようですが、実体験や考え方を共有する方が、はるかに深い雑談ができます。